本当に必要?ワンちゃんの「おしゃれカット」を考える前に知ってほしいこと
- dogsalonsphere
- 10月31日
- 読了時間: 3分
トリミングサロンで、ワンちゃんを可愛く変身させる「おしゃれカット」。特に、デザインカットやヒゲカットはとても人気がありますが、その可愛さの裏には、ワンちゃんにとって負担になるリスクや、飼い主さんの毎日のケアが不可欠なことをご存知でしょうか。
今回は、トリマーの視点から、おしゃれカットを検討する前に知っておいてほしいことをお話します。
ワンちゃんの「ヒゲ」は、大切なセンサーです
「チクチクするから」「見た目がスッキリするから」といった理由で、ヒゲカットを希望される飼い主さんがいらっしゃいます。しかし、ワンちゃんのヒゲは、人間が考える以上に重要な役割を担っているのです。
ワンちゃんのヒゲは、**感覚器(触毛)**であり、周囲の状況を把握するための大切なセンサーです。ヒゲの根元には血管や神経が通っており、非常に敏感です。
目の保護: 何かが目に触れる前にヒゲが感知し、瞬きを促して目を保護します。
健康状態の把握: ヒゲのハリや状態から、ワンちゃんの健康を読み取ることもできます。
感情表現: 怒っているときやリラックスしているときなど、ヒゲの向きで感情を表現します。
ヒゲをカットすることは、こうした大切な感覚を奪ってしまうことになります。また、ヒゲをカットする際には、ワンちゃんの顔をしっかりと固定する必要があるため、ワンちゃんにとって大きなストレスになる可能性があります。さらに、カット中にワンちゃんが予想外に動いてしまい、怪我をさせてしまうリスクもゼロではありません。
可愛さや飼い主さんの好みだけでなく、ワンちゃんの体の機能や安全性を第一に考えて、ヒゲカットの必要性を改めて考えてみましょう。
デザインカットや極端に毛を長く残すカットは、日々のケアが必須です
「おパンツカット」や「モヒカン」、「ブーツカット」など、個性的なデザインカットはとても魅力的ですよね。ですが、これらのカットは、毛を長く残す分、毎日の丁寧なケアが不可欠となります。
特に重要なのはブラッシングです。毛が長い部分は絡まりやすく、放っておくとすぐに大きな毛玉になってしまいます。毛玉を無理に引っ張って解こうとすると、ワンちゃんの皮膚に大きな負担がかかり、皮膚が赤くなったり、軽い傷ができてしまったりすることがあります。
毛玉が増えれば増えるほど、ブラッシングを嫌がるようになり、やがては「ブラシ嫌い」になってしまうかもしれません。また、毛玉を放置し続けると、その部分だけ脱毛してしまったり、毛質が薄くなったりすることもあります。
「忙しくてなかなか時間が取れない…」
「ブラッシングのやり方が分からない…」
「トリミングサロンになかなか行けない…」
「毛が絡まりやすいとトリマーさんに言われた…」
こんなお悩みがある方は、見た目の可愛さだけでカットを選ぶのではなく、ワンちゃんが毎日を快適に過ごせるかどうかを優先して考えてみましょう。ワンちゃんがストレスなく、清潔で健康な状態を保てるカットスタイルを、私たちトリマーと一緒に探していきましょう。






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